きこえてきたロポットの足音 ウエルカム、ロポットー 完全ロポットを探る ! 国産ロポット相次ぎ誕生 ! これはの中のことばではない。ある証券会社のパンフレット 0 0 0 0 0 新連載科学コラム LL ロポット工学入門 00 ′ このときぐらい私は血の通った生きた人間を恋しく思のキャッチフレーズである。 ったことはない。傍にいるオルガ姫は、なにごとであれのオールドファンは感無量であるにちがいない。筆者も、 私の命令を忠実にまもる部下ではあったが、惜しいことを読みはじめた当時、ロポットという四つの文字が、これほど数 に、彼女は人造人間だから、話しかけて、相談するわけ多く、新聞や週刊誌、証券会社の誌やビジネス雑誌に顔を出 こよ、 よ、つこ 0 し、派手につかわれる時代がやってくるとは、考えていなかった。 もちろんコン。ヒュータや自動機械の発達が加速的なものであろう ( 海野十三・『地球要塞』より ) ことは予想したが、ロポットがビジネス界の一種の流行語になると は、ちょっと想像できなかったのである。 無人化を目標とする省力機械としてのロポット。 コン。ヒュータを中心とした事務処理システムとしてのロポッ これらのロポットは、チャベック以来の物語の中のロポットとは かなりちがっているが、とにかく、自動的な機械類にかたはしから ロ凵戸」 C 凵一い - 0 0 第二章脳は魔法のコンピュータ 000 石原藤夫 イラスト緒方健ニ 00000 G00000 0 ーコにコ
0 0 ・ 0 ー 0 とめられ、「コンテ」とはほとんど関係のない、他れる。 ンヴィア・スティール、エトセトラ、エトセトラ。 の多くの登場人物が活動する、それそれ独立した短ノーマン・ ( ウスとドナルド・ホーガンは、厖大こんなふうに極端にダイジェストしてしまうと、 篇小説群は、「クローズアップを使ったトラッキンな人口をかかえるニーヨークのアパートで共同生作者のシリアスな意図とはうらはらに、どうも通俗 グ」 Tracking with Closeups のセクションにお活をしている。黒人の ( ウスが勤めている会社は、的な面ばかりが目立ってきてしまう。しかし、その さめられている。そして、番組とか、コマーシベ = = アの大統領と取引を結んでおり、 ( ウスはべ責任はある程度、作者プラナーのほうにもありそう ャル、引用、その他ありとあらゆる断片がまとめらニニア開発計画を担当することになる。べニニアにだ。 れているのが、「 ( ップニング・ワールド」 The 住むシンカ族の非暴力的性質が突然変異によるもの五百ペ 1 ジ余のポリ、ームが与えるインパクトは Happening Wo 「 ld のセクションだ。「われわれであることを、社会学者チャッド・マリガンが発見すさまじく、アメリカのファンたちがそれに圧倒さ がこの本のなかに見出すのは、映画のスプリット・したのは、それからしばらくしてからだ。 れて投票してしまったのも無理はないが ( それに、 スクリーンのテクニックを応用した″小説″なの一方、ホーガンは、ヤタカングのスー パーマン生長さのわりには、つぎつぎと趣向が変わるので退屈 だ」スビンラッドはそう書いている。 産計画の中心人物スガイグントウング博士を暗殺すしない ) 、スビンラッドのいうように全体をいくっ 目次では、長篇小説や短篇小説、エッセイなどはるため、東南アジアへとむかっている。アメリカのかのプロットに分解してしまうと、その通俗性が目 四つのセクションにまとめられているが、もちろんある諜報局に勤める彼は、特殊な方法で今では殺人についてくるのだ。 本文はそうではない。全体は、一一九の章に分か機械と化している。迂余曲折を経たのち、彼はとう手法自体も、界にあってはまったく目新らし れ、いくつかの物語が平行に進んでいく。 とう博士の暗殺に成功するのだが、・ へニニアにおけ いが、純文学の分野では、すでに先例がある。ジョ 二〇一〇年、世界は人口過剰にあえいでいる。太る″平和″の遺伝子の発見が報道された今では、そン・ド ス・パソスの『』がそれだ。『ザンジ 平洋の制海権をめぐって、ベトナムを思わせる小されも空しい ーに立っ』が、ドス ・パソスの影響を受けている な戦争がひっきりなしに起こり、アメリカと中国の以上が、この作品の軸となるストーリイ。これに - ことは、プラナー自身率直に認めている。だが、そ 関係はますます険悪化している。先進国は厳しい優彩りを添えるものとして、合法化された麻薬、奇怪の方向からプラナーを非難するのはまちがいだろ 生法を施行しているが、そんな法律のない後進国のな。 ( ーティ、チャッド・マリガンの新語辞典からのう。スケ 1 ルの大きい未来小説を書く場合、『 一つャタカング ( インドネシアに似た架空の国 ) で引用、生きている ( ? ) コンビ、ータ″シャルマニ <t 』の手法ほど便利なものはない。非難するなら、 は、逆に遣伝子を人為的に改良してス ーパーマンをザ 1 ″、 ニュース番組″スキャナライザー″工むしろ、この手法を今まで見すごしていた界全 作りだす計画が進められている。このニュ 1 スは先トセトラ。 体に対してするべきだろう。 進国にも伝わり、人びとの不安をかきたてている。脇役として、人間嫌いの社会学者チャッド・マリ オリジナリティの点ではやや不満だけれども、お そのころアフリカの小国べ = = アでは、窮乏の生活ガン、生まれる子供にきたない現実を見せまいと麻もしろいし、敢闘賞としてのヒーゴー賞なら文句 を続けながらも、他人をまったく襲おうとしない、薬をのみ続ける妊娠したフラワー・チャイルドの少はない。 シンカ族と呼ばれる平和な黒人種族の存在が発見さ女ポ。ヒー・、 シェルトン、ファッション界の女王グイ 8
すでに翻訳されているハインラインの『異星のも関心が深く、イギリスにおけるその 客』ーーこの傾向のロ火をきったのは、これかもし運動の中心に立つ一人で、現在は、暗 れない そして『月は無慈悲な夜の女王』、フラ殺されたマーチン・ルーサー・キング ンク・ しハートの『デューン』 Dune ( 1965 ) 。以牧師を記念する文学賞の設立に力をい 上はどれもハードカ・ハー版で四百ページ前後の長されている ( キング賞については、昨年 ・か亠めり、リ」、れ , もヒュ ーゴー賞を受賞したが、このグの春、朝日その他の新聞の海外トビッ ル 1 。フにもっとも新しく仲間入りしたのが、六九年クス欄で報じられたので、ご記憶のか 度の長篇賞に輝く、ジョン・プラナーの『ザンジ・ハたもおられるかもしれない ) 。こんな ーに立っ』 Stand on Zanzibar ( ダブルディ社 ) 経歴からもわかるとおり、プラナ である。 は、精力的な活動にかけては現代英米 全訳して約千七百枚、普通よりひとまわり大きい界でも五指に数えられる作家であ ( ードカ・ ( 1 版で五百二十四。ヘージのこの長篇は、る。彼なら、そんな未来全体小説を書 びとロで言ってしまえば、二十一世紀初頭を舞台にいても不思議はなさそうだ。 題名の意味は、こんなところから出 した全体小説だ。 プラナー作『ザンシ′ ・ヾーに立っ 四十年先の世界を描いた全体小説 ? 多くのている。地球上の全人類を立たせたま 作家の共同作業ならともかく、一人でそんなものがま一個所に集めると、イギ屮スのワイト島 ( 面積一「『ザンジ・ハ ーに立っ』は、 いうなれば一つの長篇 書けるのか、とあなたは思うかもしれない。社会の四七平方マイル ) にすつぼりはいってしまうという小説と、 いくつかの短篇小説と、一連のエッセイ あらゆる事象をまとめて整理し、さらにその資料か俗説がある。だが、それは第一次大戦当時の話であと、無数の断片的情報を、一つの文学的な構築物と ら四十年未来の世界を外挿し、そのなかで数十人のって、一九六〇年代後半の現在では、一三一平方マして組みあげたものだ」とスビンラッドは言う。 登場人物を動かしながら、読者の興味を惹く物語をイルのマン島にもおさまりきらないくらいだ。だ「その意味では小説ではない。これは、単行本のか 進めていかねばならないのだ。まず、並の人間ではが、二〇一〇年ーー・・この小説の時代ではーー人口はたちにした映画なのだ」 不可能な仕事だろう。 それよりはるかに増え、六四〇平方マイルのザンジそれは、七ページにわたる目次を見るとはっきり だが、どうやらプラナーはそれにある程度成功しー島ぐらいの土地が必要になるにちがいない。 とわかる。目次は四つのセクションに分かれ、もっ ノン・ノヴェル たようなのだ。一九三四年、イギリスに生まれ、十プラナーはこの小説を″非小説″と呼んでいる。とも重要な登場人物ドナルド・ホーガンとノーマ 七歳で最初の長篇を出版し、五八年から本格的に書アメージング誌昨年九月号の書評欄で、これを読んン・ ( ウスが活動するセクションの見出しは「コン きだして、この十年間に出した単行本が五十冊 ( そだノーマン・スビンラッドがうまい解釈をしているテ」 Coutimuity この部分が長篇小説。そして ェッセイ類は「情況」 Context のセクションにま のうち九十。 ( ーセントは ) 。また、平和運動にのでそれを抜き書きしながら話を進めていこう。 0 0 0 0 0 0 ・を ZANZIBAR A NOVEL BY JOHN BRUNNER 7